みをつくし料理帖を読んで

みをつくし料理帖完結。
時代小説はちょっと…と思っていたけど、苦手意識を払拭してくれた。面白いね、時代小説w
最近、「あの人はどうなった?」とか消化不良になるような小説が多い中
1〜9巻までの物語が、10巻で全て繋がって、「なるほどそういう事だったのか」と納得できた。
作者が、最初に全編のストーリーを考えているからこそだ。
人情に泣かされた。「つる家」の人たちは、それぞれがお互いの幸せを思い、そこから離れ難い温かな空間をつくっていた。
他の登場人物も、それぞれがいい味を出して、善人悪人もわかりやすかった。
『食は、人の天なり』作者の言いたかった事は、これか。
欲を言えば、澪と野江の友情→特に、野江の澪に対する気持ち→ここから出て澪ちゃんと会いたい→みたいな気持ちがもっと書かれていれば、尚よかったが。
いずれにせよ「つる家」の人達や他の登場人物と、ずっと会っていたかった。
作者の次回作に期待するか。できればこういう上質のシリーズ物を書いてほしい。